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夜空の「ボール紙理論」と「シーツ理論」

夜空の「ボール紙理論」と「シーツ理論」
【読み】よぞらのぼーるがみりろんとしーつりろん
【英語】The Cardboard versus Sheet Theory of the Night Skies
【分類】固有名詞・専門・天文学史


夜空の正体については古来より、二つの学説が対立してきた。
「ボール紙理論」では黒または群青に塗装したボール紙にブリキ製の月や星を貼り付けたと考える。対する「シーツ理論」は夜空は大きな群青色のシーツで、そこに金属製の星たちが縫い付けられていると考えるが、なかには刺繍されているという説を唱える研究者もいる。この数千年に及ぶ論争にようやく決着が付いた…かのように見えたのは、21世紀の前半である。

2010年2月2日、日本の首都東京は前日の夜降り積もった雪とともに朝を迎えた。この雪景色を撮影中のアマチュア写真家が木に覆いかぶさる夜空の切れ端を発見したのである。写真で見ると木の高さは数メートル。夜空は枝のほぼ全体を覆うようブランケットのように見える。ただし半透明なのでうっすらと枝が見えている。星は白色で金属製のようであるが、墜落の衝撃のためかどれも少し曲がっている。落ちたのはオリオン座のようだ。

この写真とともにニュースは世界中を駆け巡り、一大センセーションを引き起こした。天文学に限って言えばシーツ派の学者は高らかに勝利宣言を行い、シーツの素材は何かという問題に興味を示した。ボール紙派は事件全体がでっち上げだと反論した。根拠の一つはシーツが部分的に折れたりしわになったりしているにもかかわらず、オリオン座がその形を保っているのは人為的であるという点にあった。

しかし、事件はこれだけでは済まなかった。発見から24時間も経たぬうちに夜空は忽然とどこかに消えてしまったのだ。たぶん元の天空に。警備や調査に従事していた現場の担当者たちもいつそれが消えたのか分からなかったという。気が付いたときには、もうそこになかったと全員が証言している。また、この間に撮られた写真をはじめ一切のデータも何者かによって消去された。さらには第一発見者の写真家についても、本人が名乗った氏名や住所が架空のものであることが判明したときには行方を晦ましていた。結論として夜空墜落事件は宙ぶらりんのまま、うやむやとなってしまった。あたかも着地しない永遠の墜落を続けるかのように。ただ、どういうわけかこの写真だけが後に残された。

この写真を、あるいは事件全体をどう解釈するか、未だに定説はなく学会のタブーのようになっているのが実態である。事件については、なぜかボール紙派も口をつぐんでしまう。いずれにしろ、夜空の成り立ちを巡る「ダンボール理論」と「シーツ理論」の論争は決着を見ていない。


coll-yoru_no_doncho-1.jpg

夜空のシーツ
コラージュ


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テーマ : 加工・合成写真
ジャンル : 写真

コメント

非公開コメント

No title

今晩は、ん~なかなか面白かった・・・まじめに読みました~夜空に関する「ボール紙理論」と「シーツ理論」・・・なるほどねぇそう言われれば、雪が生んだイメージもなかなかですねぇいい勉強になります。影もしっかりついてますね・・・さすが。

Re: No title

hidekiさん、
妄想にお付き合いいただき、ありがとうございます。
「影」についてはちょっと自信がないです。ボケ方が不自然な気がして。

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J.-P. Kuak

Author:J.-P. Kuak
空想写真家、ノラ猫写真家、コラージュ作家。懐かしいものや鉱物も好き。

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