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ALTERNATIVE

最近参加したイベントが面白かったのでちょっとメモしておこうと思います。そのイベント、タイトルを「アンチ・キャピタリズム・カフェ」と言います。不定期の開催で、私が行ったのは7月17日土曜日の19:30からの第2回目、場所は高円寺。チラシによれば「アンチ・キャピタリズム・カフェは、金儲け第一主義の世界に反対しつつ、それとは別の世界を自分たちの手で勝手に生きるための、不定期のイベントです。」ということです。今回は志賀直輝という人の世界各地のオルタナティブな生き方を模索するグループやその運動の写真を交えた体験記でした。この人は約3年の海外放浪で「リクレイム・ザ・ストリート」や「スクウォッティング」の活動家たち、あるいは性的マイノリティーのコミュニティーなどを渡り歩き、さらに「サパティスタ自治区」「キューバ」での生活も体験してきたそうで、めちゃくちゃ面白かったです。写真が豊富で、自分の見聞きしたことを自分の言葉で伝えると言うスタイルが一貫していて、分りやすい。いい意味で普通の人の普通の言葉。当たり前だけれども貴重。休憩をはさんで2時間ちょっとだったかな、少しも退屈しませんでした。個々の運動について説明は省略しますが、印象に残ったことを記しておきます。

・「スクウォッティング」って要するに他人の空き家に勝手に住んじゃうことで、まずいんじゃないのって常識的に思ってたんですが、ヨーロッパ各国では基本的に条件付で合法だとのこと。その理論的根拠は生存権。確かに「生命」ってことを第一に考えると、空いてる場所を使わせて貰うってのは当たり前ですね。そういう何が大切かって感覚が麻痺させられるのが今の社会の怖いところかも。命よりお金とか、そもそもフェアーでないルールで競争させて失敗したら全て自己責任だとか。あと、スクウォッターは地域住民とも比較的良好な関係だとのこと。

・一般的にヨーロッパでは少数派の運動に寛容な社会的雰囲気があるとのこと。

・ベジタリアン、しかもベーガン(完全菜食)が多い。牛を食べるより、牛の餌になる穀物を食べた方が遙かに効率的だというエコロジー的観点からの議論は確かに説得的だが、動物性の食品(乳製品、卵、蜂蜜など)は一切ダメってのはよく分かりません。

・サパティスタも含めて取り上げられた運動はごく大雑把に言うとアナキスト的だと言える(権力の否定、自由、平等、相互扶助、小さな共同体・・・)。アナキズムには個人的にシンパシーを持っているが(志賀さんもアナキストらしい)、そのシンボルカラーの黒を使ったデザインはあまり好きになれません。なんとなくファシズム的雰囲気で威圧的なので。

アナキズムって10人アナキストがいれば10の定義があるような感じで、よく分からない部分があるんですが、逆に言うと誰でも自分にとってのアナキズムはこうだっていえる訳ですね。ちなみに私の定義、と言うかイメージは:一人ひとりの尊厳と自由に対するあらゆる形の抑圧を否定しつつ、それが一人ひとりの孤立ではなく最大限の交流を生み出すような関係。夢想家の夢物語だって?そうかもね^^でもね空想とか夢って結構力があるんじゃないかと。まずはビジョンとしての空想とか夢がないと新しいことって始らないでしょ?

・サパティストたちはインターネットを非常に有効に活用しているらしい。ネットで主張を全世界に流せば賛同者がメキシコ政府に圧力をかけてくれるので、メキシコ政府もあまり手荒なことはできない。武装蜂起はしているが、実際に武器を使うことはあまりないとのこと。

・キューバは国全体でエコロジカルな未来社会を模索している印象。カストロはベジタリアンになって自転車通勤をしているらしい。「貧しさ」が幸いして吉と出たか?志賀さんももう一度住みたいみたなことを言っていた。

・良くも悪くも、ヨーロッパのオルタナティブな運動は資本主義をしゃぶりつくした後、さあこれからどうする?って感じだけれど(若い頃散々放蕩して歳とってからはすっかり枯れる、みたいな)、サパティスタ自治区やキューバの人たちは素朴で生活もとってもシンプル。でも免疫がない分、資本主義的欲望装置(例えば巨大資本のコマーシャル)に触れたとき抗しがたいのではないかな。


書き忘れましたか、参加費300円。お金がなければ無料!参加者は70人ぐらいでしょうか。大盛況で部屋から溢れてて正確には分りませんでした。私は社会的・経済的なシステムからは零れ落ちてしまう個人的なファンタジーなんかに意味を見出すタイプで「政治的」な人間ではないのですが、行動原理としてのアナキズムには人間性に対する信頼、風通しのよさ、そして大きな可能性を感じます。


写真ブログで写真がないのもアレなんでUPしておきましょう。最近夜っぽい雰囲気が多かったんですが、これは明るい色使いです。被写界深度の大きいコンデジの方が撮りやすいかなと思いG11を使いました。



IMG_0543-1.jpg

破壊と創造
CANON PowerShot G11


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夢見る力

J.-P.Kuakさん、こんばんは。
とても興味深く拝読いたしました。

コリン・ウィルソンの著作本が思考を鍛えるのに僕にとっては良書でした。
「夢見る力」は少し啓発されました。破壊と創造は、生死の根源的な課題です。

<<一人ひとりの尊厳と自由に対するあらゆる形の抑圧を否定しつつ、それが一人ひとりの孤立ではなく
  最大限の交流を生み出すような関係。>>

素晴らしい考えだと思います。エコロジカルな共同体創造のひとつに、スコットランドのフィンドホーンが
あります。3人から始まり、1万人まで膨らんでしまったので大きくなり過ぎた感がありますが、エコ・ヴィレッジ
も面白いと思いました。日本の廃村のようなところで、生活に必要な技術者が集まり、シンプルな生活を主に
した哲学的な共同体が生まれたら面白いですね。政治的にはアナーキスト集団とも言えますが、相対的には
そうであっても、根本的には自由と尊厳を尊ぶ世界です。キューバはアメリカの煙草規制などの圧力もあって
目覚めたのでしょうか?有機農業や自立型ライフ・スタイルを推進しているような情報しか得ていませんが、
何か世界経済の仕組みに気付いて変わり始めたような印象を持っています。J.-P.Kuakさんに触発されまして
ついつい長くなってしまいましたが、理不尽なシステムを変えることよりも寧ろ現実味があると思いました。

Re: 夢見る力

sumitoさん、こんばんは。
コリン・ウィルソンはオカルト方面なのに地に足の着いた堅実な議論をしますよね。レトリックに走ったり空疎な理論を振り回したりしないのは、もともと(悪い意味で)インテリではなく「叩き上げ」だからでしょうか。

イベントで各種運動に共通テーマのように感じられたのは、限りある空間や資源や物質的な富やらを皆で有効に使っていくためには、奪い合うのではなく分け合う必要があるという認識です。それぞれのムーブメントは決して良いことずくめではありませんが、色々と考えるきっかけになりました。また、イベント自体も特定のプロパガンダを広めるためのものではなく、みんなで緩~く連帯して、わいわいがやがやと模索していこうというスタンスで、そういうところもアナキスト的だと感じました。

我々は大航海時代に始る(?)拡張と奪い合いのパラダイムから抜け出そうとする転換期を生きているのかもしれませんね。

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J.-P. Kuak

Author:J.-P. Kuak
空想写真家、ノラ猫写真家、コラージュ作家。懐かしいものや鉱物も好き。

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